高橋アキさんは以前近くでピアノソロのコンサートを聴いたことがあり(現代音楽中心でめちゃめちゃシビレた)、クロノス・カルテットも好きで集めているのでこの組み合わせは最高です。で、モートン・フェルドマンは不勉強にして名前しか知らなかった方なんですが、今作はとてもいいです。79分、ほぼCDの収録時間一杯に数少ない音がゆっくりと伸びていく様は幻想的といえば幻想的で、ミニマルというかアンビエントというべきか。印象的なフレーズがいくつかほんの断片的に浮かびつつもあくまで全体を静謐が支配している感じはポスト・クラシカルの祖先という感じでもあり。どうしても抽象的に感じてしまう音楽かとは思いますが、とはいえ響きの美しさに陶酔するのもよかろうと思うので気軽に聴いてみたらいいと思います。おすすめ。