黒岡衛星の1日1枚1言

この"ブログで音楽の話しかしたくない"がすごい!第一位

カーネーション『Wacky Packages』('94)

WACKY PACKAGES

WACKY PACKAGES

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カーネーション初のライブ盤ということでアルバム的には『天国と地獄』リリース後、『Edo River』リリース手前くらいの感じですか。FMのパワープレイも受けてわかりやすくポップ化していくその後と比べると、まだマニアックな楽曲群がライブという場でどう披露されていったかが楽しめるドキュメンタリーといった印象が強いです。しかしカーネーションというのはこの頃からライブバンドだったのだなあということがよくわかる、ハードグルーヴィンな演奏は今聴いても全然楽しめますし、森高千里でお馴染み「夜の煙突」も収録されてお得感もばっちり。後のライブ盤が全体的にやや入手し辛かったりサブスクになかったりすることを考えると、今作も十分に聴いて損のない作品だと思います。

Niacin『Time Crunch』('01)

タイム・クランチ

タイム・クランチ

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Mr.Bigのビリー・シーンが率いたトリオです。本人曰く『ファンキーなエマーソン・レイク・アンド・パーマー』だそうで、ハモンド・オルガンの主旋律を中心にベース、ドラムのバカテクがリスナーの耳を絨毯爆撃するサウンドはわりと誰が聴いても腰を抜かすと思います。確かに『これマジで3人でやってるの?』感はEL&Pと共通するような気も。一方でドラムのデニス・チェンバースはマジモンのジャズメンということもあり、そのグルーヴ感もまた一味違います。久しぶりに聴いたんですが、やっぱり他に似たものがないなと再確認した次第。キング・クリムゾン「レッド」やジェフ・ベック「蒼き風」なんかも収録されてプログレ・ファンやロック・リスナーにも大満足の仕上がりなのではないかと。お薦めです。

George Benson『The George Benson Cookbook』('67)

「Breezin'」のヒットで知られる『歌うギタリスト』、ジョージ・ベンソンによる初期の傑作です。ギター、オルガン、ドラムのシンプルなファンキー・ジャズを中心に、楽曲によってバリトンサックスやトロンボーンが華を添え、また歌入りの楽曲もこの頃からすでに収録されています。いやーカッコいい。シンプルがゆえにゴマカシのきかない、割烹の刺身のようなグルーヴとでも言いましょうか。ソウルフルでグルーヴィな演奏は細かいこと抜きで肩を揺らしてしまうようなもの。またロニー・スミスのオルガンもいいんですよねー。ひたすらに心地よく聴ける、環境に左右されない名盤であると言えましょう。お薦め。

Joshua Redman Elastic Band『Momentum』('05)

Momentum

Momentum

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ジョシュア・レッドマンがエラスティック・バンドという名義で録音した作品ですが、まずメンツが驚きです。フリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)やクエストラヴ、ミシェル・ンデゲオチェロといったジャズ外からのゲストをはじめ、ジャズ界隈でもブライアン・ブレイドやカート・ローゼンウィンケルといった錚々たるメンバーがサポートしております。で、サウンドはいい意味で温故知新的というか、エレクトリック・ジャズ、ジャズ・ファンクと呼ばれるサウンドをゼロ年代にアップデートしたもの。オーネット・コールマン「ロンリー・ウーマン」を取り上げる一方でシェリル・クロウやレッド・ツェッペリン(「クランジ」!渋い)といったカバーのセンスも光ります。特にドラムのビートとグルーヴがいいですね。クラブ・ミュージック以後といった感じのサウンドがかっけーです。これはいい。お薦めです。

Tin Pan『Tin Pan』('00)

Tin Pan [CD]

Tin Pan [CD]

  • アーティスト:Tin Pan
  • Re Wind Recordings
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日本のプロデュース・チームにして凄腕のセッション・ミュージシャン集団、ティン・パン・アレーのメンバーによる再結成作です。林立夫、鈴木茂、細野晴臣という3人でのセッションに過去の音源やゲストなども加えた作品、と言ってしまえばそれまでですが、過去の音源が『はらいそ』の頃のテイクであったり、ゲストが忌野清志郎に矢野顕子にコシミハルに高野寛にともう参加した人物を挙げていくだけでとんでもないもの。肝心のサウンドは以外にも(?)ポストロック以後の音響を感じさせるサウンドに彼らが70年代から持っているカントリーやフォークのムードを載せたような作風で、これは今聴いてもたいへんにおしゃれなのではないかと思われます。いや、カッコいいなあ。スケッチ・ショウや再結成YMOは何か違うようなと思った方も一度触れてみてはいかがでしょうか。

カーネーション『The Sound of ROCK LOVE』('07)

The Sounds of ROCK LOVE

The Sounds of ROCK LOVE

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カーネーションによる、彼らの映画の主題歌を含む11人編成でのライブ・アルバムであります。ひねくれた印象のあるカーネーションというバンドですが、ゼロ年代は主に3人で活動していたというのもありシンプルなバンド編成をベースとしたタフなサウンドを鳴らしていたわけですが、今作はホーン隊やコーラスを交えてゴージャスな演奏に仕上がっております。とはいえ骨子にあるのはあくまでそのソウル由来なグルーヴとグッドなメロディ。当時の最新作である『WILD FANTASY』収録曲を中心に、90年代の楽曲なども織り交ぜた選曲はどちらかというとライブでの定番曲が中心という感じで、代表曲とされるような楽曲は森高千里版で知られる「夜の煙突」くらいでしょう。なのでベスト盤的に楽しむというよりは彼らのグルーヴと(繰り返しになりますが)浮き彫りになるタフさを味わうものになるかと思います。カッコいいなあ。

Kevin Ayers『The Confessions of Dr. Dream and Other Stories』('74)

ケヴィン・エアーズ5枚目のアルバムなんですが、最初に言っておくとこれはプログレ好きが聴いたらいいです。元祖カンタベリーなシンガーソングライターとしての歌心に、今作はB面をいっぱいに使った組曲もあってこれはいよいよキャラヴァンの如し。一方でオリー・ハルソール(パトゥやラトルズなどで知られる)やサイモン・ジェフス(ペンギン・カフェ・オーケストラ)などのサポートはプログレというよりも正統派のブリティッシュ・ロック的な味わいがあり、ジャンルプロパー的なプログレが馴染まないという人でも楽しく聴けるのではないかと。独特のキャラで人を選ぶかとは思いますが、音楽は万人に開かれていると思います。もっと聴かれていい。