いわゆるプログレメタルというやつですが、真っ直ぐにエモいヴォーカルはむしろジャーニーとかああいうのが好きな層にまでアピールするのでは、というシンプルな良さがあってもっと売れててもいいよなと聴くたびに思うバンドです。今作あたりはちょっとドリーム・シアターの『アウェイク』に感化されたようなダークさ(ジャケもちょっとあの頃っぽい)があり、そのちょっぴりグランジーな感じが今となっては他のカラッとした作品よりも聴きやすいのかもと思ったりしました。とにかくいいバンドなんでプログレがとうメタルだからこうという偏見無しで一度聴いてみてもらいたいです。広く広くオススメ。
Manuel Göttsching『E2-E4 LIVE IN JAPAN』('09)
人力テクノ界のオーパーツ、『E2-E4』というアルバムを野外フェスのステージで完全再現したCD+DVDです。映像を観ればわかるとおり、完全に一人でのステージだったようで、1トラック60分弱を演奏し切るそのミュージシャン・シップにまず感服。『E2-E4』というのは今で言うところのアンビエント・テクノ的なトラックにギター・ソロが重なっていく曲ですが、ひたすら気持ちよく浸れすぎるのか、『途中で寝てしまう』という意見もしばしば。いやしかし今作に関しては褒め言葉なのかもしれないです。あまりにもチル。こんな作品が1981年に録音されていた(発表は1984年)こと、なおかつそれがライブで再現されたという事実にただひたすら感動するしかなく、現地に居た人が羨ましすぎますね。このライブ盤は今でも手に入るのかわかりませんけれども、とにかく『E2-E4』からまずどうぞ。一家に一枚ですわ。
Discharming man『街』('26)
discharmingmanonline.stores.jp
いわゆるサッポロ・シティ・ハードコアというやつの最新型です。いまこの国にあって肌で感じる差別意識や理不尽について、時に柔らかく時に恐ろしいメッセージをストレートにピュアに届けるパンク・ロックです。もちろん変拍子と歌心が重なり合ったサウンド的な面白さもありますが、こういう楽曲が、音楽が聴かれることによって少しでも社会的な弱者を助け、世の不平等をなくすものとなってくれたらなという希望を感じました。『Music Can Change The World』、そうあってほしい、それだけの力があるアルバムではないでしょうか。カッコいい。
Miles Davis『Bitches Brew』('69)
いい加減そろそろちゃんと向き合わんとなと感じているアルバムですが、いやしかし果ての無い宇宙であります。『ロックに影響を受けフュージョン・サウンドを確立した』みたいな物言いがまかり通っておりますが(そして本人の意識的には概ねそうなのかもしれませんが)出来上がったものはそういうロックとかファンクとかフュージョンといったものとは遠い、唯一無二の(エレクトリック)マイルス・サウンドとしか言い様のないもの。クラブ・ジャズ・カルチャーによってエレクトリック・ジャズが読み解かれた今にあっても無限に広がる謎と言いますか、未だ解かれていない数式のよう。しかしだからといってこれもまたよく言われるように難解かといえばそういうこともなく、バキバキのリズムと歪んだ鍵盤にエレクトリック・ギターが艶めかしく絡めば今もってなお未来が見えるかのような衝撃が待ち受けております。Djentにおけるメシュガーじゃないですが、オリジネイターというのはおっかねえもんです。カッコいいけど取り扱いは注意で。

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