黒岡衛星の1日1枚1言

この"ブログで音楽の話しかしたくない"がすごい!第一位

Plastic Tree『Plastic Tree』('24)

 

まさかのここに来てセルフタイトルでビビりましたが、普通に最高傑作ですね。彼らからすると特別な気合を入れてできた作品ということもないそうですが、それだけバンドがいい状態にあるということなんでしょう。前作(『十色定理』)は『全曲シングルカットできるような』ポップ・アルバムでしたが、今回はアルバム単位で1つの作品ですという感じ。勝負曲的なリードトラック「メルヘン」がラス前に来るのもこうぐっと来ますね。それこそメルヘンチックな悲しみを歌い続けて30年、たいしたバンドです。

クミコ『AURA』('00)

 

高野文子さんのジャケ絵CD集めてるんですよねえ。というわけでシャンソン歌謡歌手クミコによる(名義としては)デビュー・アルバム。松本隆鈴木慶一プロデュース、ほかにもムーンライダーズのメンバーや細野晴臣なども参加してすっかり80年代テクノ歌謡かのような人脈ですけれども、内容としてもゼロ年代のはじまりにムーンライダーズ的手腕をおおいに振るったオルタナティヴな仕上がりの楽曲が並びます。シャンソン的な歌唱によって肌に切れ味鋭く伝う生と死の世界を描いた歌詞もすばらしく、埋もれさせておくには惜しい作品だと感じました。お薦め。

クミコ with 風街レビュー『デラシネ』('17)

 

シャンソン歌手クミコと作詞家松本隆サウンドプロデュースに冨田恵一という布陣による大人のJ-POPプロジェクトですが、いいですよ。七尾旅人秦基博吉澤嘉代子菊地成孔(!)なんていう作曲陣を迎えて極上のポップソングが揃っています。贅沢。クミコさんの歌唱もまた普段のシャンソンとは違ったものできっちり楽曲の要望に応えながらそれでも個性を失わないし、冨田恵一サウンドプロデュースもやはりというかなんというか素晴らしいの最上級という感じ。個人的にはそこまでピンときたことのない松本隆の歌詞ですけど、こうして聴くとやはり凄みがありますね。シティポップのブームが一段落した今こそ聴くべき1枚。

RAISE A SUILEN『SAVAGE』('24)

 

待望の2ndですが、いやもう期待通りの満足度。前作からさらにアグレッションを増しヤンキーイズムとKawaiiを足して2で割らない最強のラウドロックを演奏っています。前作よりEDM的な要素が増し、Fear, and Loathing in Las Vegasによる提供曲がベガスファンにお馴染みのピコリーモだったりとエレクトロ感はマシマシかも。バンドリのプロジェクトがどうこうというのを存じてない人にも(本当は存じてほしいですが)この際聴いてみていただきたい高カロリーの爆音で聴きたいラウドロックで間違いありません。一度ライブを観てみたいものですが。

King Crimson『In The Court Of The Crimson King』('69)

 

今さら僕が何かを言うものでもないですが初心に帰る思いでひとつ。昔聴いたときはどうしても「21世紀の〜」とそれ以外のテンションの差に馴染めなかったんですけど、彼らのキャリアを踏まえて聴き返すと名盤の名盤たる所以がちゃんと伝わってきたというか、ようやく少しは理解できたかなと。改めて「風に語りて」のドラムとかヤバすぎますね。「ムーンチャイルド」のインプロ部には早すぎたポストロックがあるではないですか。「エピタフ」なんかのメロディラインが演歌なのも良いじゃないですか、沁みる。後の『太陽と戦慄』のような(あれはあれで良いし大好きですが)強い攻撃とはまた違う、1stらしい野心に満ちた作品だということを改めて感じました次第。

tipToe.『thirdShoes.』('18)

 

thirdShoes.

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そろそろ二期も終了らしいですが。タイトル通り彼女たちのサードシングル(最近だとEP扱いでしょうか)なのですが、本当にこれはいい作品です。特にリードトラックである「blue moon.」がもう白眉。ドビュッシー「月の光」の変奏を用いた印象的なピアノのラインとシンプルなリズムにエモーショナルな歌、当時話題になったのも納得の楽曲派アンセムです。他にも今でもライブのクライマックスで歌われるダンスポップ「星降る夜、君とダンスを」など高クオリティでポップな楽曲が並びます。後の楽曲を聴くにここまで振り切ったことはあまりやっていないように思いますが、一方でtipToe.というグループの方向性を決めた作品集のような気がします。

PINK FLOYD『A Collection Of Great Dance Songs』('81)

 

ユーミンの『昨晩お会いしましょう』のボツジャケだったというトリビアもすっかりお馴染みのピンク・フロイドのベスト盤ですけれども、なんかやっぱりプログレ・バンドをベスト盤で聴くのは独特というか不思議な感じがしますねー。とはいえこのピンク・フロイドというバンドの面白いところや格好良さっていうのはこうしてコンパクトにまとまっていても伝わってくるように思います。フロイドが他のバンド(いわゆるプログレ四天王とかそのへん)と大きく違うのはそういうところなのかもしれません。「マネー」って単品で聴いてもかっこいいなー。『狂気』もリリースから半世紀経った今、こういう新しい聴き方もアリ、なのかもしれません。興味深かったです。