黒岡衛星の1日1枚1言

この"ブログで音楽の話しかしたくない"がすごい!第一位

Cymbals『Anthology』('03)

 

冗談抜きで一部の界隈では聴くバイブルなんじゃないでしょうか。『ポスト渋谷系』と称されたバンドのオールタイムなベスト盤です。改めて聴くとまあつくづく渋いバンドですねー。60年代的なサウンドを取り込んで自らの血肉にするための演奏力や体幹のようなものがしっかりしていて、デビュー当時からメインの作曲者である沖井礼二のイズムがはっきり出ていると思います。おしゃれだけどそこに見掛け倒しはひとつもなく、すべてにピシッと行き届いた感性のコントロールがあるというか。当時混乱した『sine』時代のエレクトロなアプローチも今振り返ってみればすべてが正しく思えてくる。おっかないバンドですね。いやまあ聴く分にはポップ・ミュージックとして楽しく聴いたらいいんでしょうけど、やっぱ『かわいくて意地悪な感じのバンド。ただしパンク』と言ってメンバーを集めただけのことはあります。