いわゆるポスト・ロックと呼ばれる中でもひとつのスタイルを築いたモグワイによるライブ・アルバム。初期から当時最新のところまでをバランスよく演奏しており、ちゃんと聴いてこなかった自分にはほとんどベスト盤みたいな感じです。ギターのアルペジオからシューゲ的轟音へのスイッチのイメージばかりあったのですがそれは本当に最初期だけという感じで、加工済みとはいえヴォーカルも入ったり基本上モノでピアノが主張していたりともっとアンサンブルに幅があるのだなあと。それでもやはり溜めに溜めてからの轟音がギャーッとくるとまあテンション上がる上がる。デジタルのエディットを強調するのがポスト・ロックというジャンルの特徴ですが、ここにはライブならではのフィジカルの強さがあってなるほどポスト・ロックというかポスト・ハードコアでもあるのだなあと思いました。インスト多めですが音に美学を感じたい、陶酔したい人はお薦めです。