ボカロP時代の楽曲を曲ごとにゲストヴォーカルを招いてセルフリメイクしたアルバムですが、もともとのエレクトロニカ的なサウンドは抑えめにバンドの音を導入した、新世紀の渋谷系とでも言うべき音楽に仕上がっています。初めて聴いた当初はボカロのほうが良かったかなと思ってしまったものですが、改めて聴いてみるとこれはこれでとてもよくできているなあと。特にエレクトロニカ/ポストロック通過後のポップスが当たり前になり、まさにボカロP世代のアーティストによって宅録バンド・サウンドが一般化した今こそ聴き返して発見のある音楽なのではないでしょうか。ニューゲイザー的な要素もあって非常に聴き応えのあるアルバムかと思います。