1975年すか。そういえば5XのCDを買えるうちに買っておかなきゃと注文した流れで聴き返しています。こうして久しぶりに聴くと思ったよりシンプルなハードロックやプログレというわけではないなと気付かされます。彼女のもともとの出自である寺山修司的なフォークとブルース、歌謡曲の世界をロックのエンジンで加速させたようなサウンドはたとえばブラック・サバスの1stにブルースが色濃く残っていることの日本バージョンのようでもあり、もっと独特な何かでもあり。あとやっぱり、何と言っても歌唱ですよね。ハードロッキンなだけではない（だったとしても相当凄まじいのですが）、幅広い表現をボーカルがこの時点で完成していることにも驚かされます。ユーライア・ヒープ「対自核」を換骨奪胎したかのような名曲「私は風」が有名ではありますが、アルバムとしての名盤度も相当なものです。聴きましょう。
