黒岡衛星の1日1枚1言

この"ブログで音楽の話しかしたくない"がすごい!第一位

椿屋四重奏『孤独のカンパネラを鳴らせ』('10)

 

変なアルバム。椿屋っていうと個人的には『薔薇とダイヤモンド』の印象が強くて、今作も「いばらのみち」が入ってるやつ、くらいにしか思っていなかったのだけど。いちおうバンドとしてはラストアルバムになると思うのだけど、あまりそういう湿った感じはなく(いや、元々じめっとしたバンドなのはそうなのだが)King Gnuの叔父さんみたいなミクスチャーロックをやってみたり、ムック(対バンしてた気がする)やTHE BACK HORNあたりと呼応する、『あの時代の』歌謡ロックのその先を模索する感じが強く出ている。おしゃれかというとそんなこともないし、今聴くべきとかそういうことも多分ないだろうけど、振り返ってみて得るものも少なくないというか、2010年って変な時代だったんだな、ということをポジティブに感じられるいい作品だと思う。この先があったらどうなってたんだろうな。