黒岡衛星の1日1枚1言

この"ブログで音楽の話しかしたくない"がすごい!第一位

Derek and the Dominos『Layla and Other Assorted Love Songs』('70)

 

デュアン・オールマンてゲストだったんですね。14曲中11曲で弾いてるってもうてっきりメンバーみたいなものかと。エリック・クラプトンもよくステージにかける表題曲「いとしのレイラ」、の特にイントロで一発有名な盤ですけれども、改めて古き良きアーシーなロック、としてアメリカ南部的ないなたさとクラプトンのブリティッシュ・ブルース要素がほどよくブレンドされすっかりいい具合。ギター小僧の教科書でもありますが、シンプルにゴキゲンなロック・アルバムとして誰が聴いてもいいと思えそうな名盤だなあと再確認。今更ではありますけれども。

liam『Life Is A Minestrone』('10)

Life Is A Minestrone | liam

 

ボカロPさんの作品ですね。10ccからの引用と思しきアルバムタイトルからも見て取れるようなひねくれポップ感のある楽曲と初音ミクさんの頓狂とも取れるような声がよく合っています。インストも多めですが、バンド的なギターサウンドとダンス・ポップ風の打ち込み電子音が重なって狂騒的な楽しさがあるところは共通していますね。にしても何と言ってもラスト「カリフォルニアのリア王」の圧倒的アンセム感よ。あまり振り返られることもないですがいいアルバムです。2ndともどもどうぞ。

ゆらゆら帝国『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』('03)

 

安価な作品だったからシングルと間違われてブックオフの100円棚に差してあったのを見たのももう20年くらい前ですか。当時はとにかくイントロの音のデカさにビビり散らかしてましたが、改めて聴き返すといやーかっこいいっすね。この頃のゆら帝がいちばんわけわかんなかった時期なんじゃないでしょうか。ここから爆音やハードロック的な要素を削ぎ落として解散に向かっていったわけですが、そうなる直前のめまいさえ覚えるしびれの感覚がここに。

zArAme / DON CARNAGE『split』('20)

split / DON KARNAGE : zArAme | DISRUFF RECORDS

zArAmeとDON CARNAGE(以下ドンカネ)が新曲をそれぞれ2曲ずつ、そしてザ・ルースターズの楽曲をカバーするというスプリット盤だったわけですけど、いやーいいですね。シンプルに上り調子でガツガツと来るドンカネとベテランらしい手練手管に決して青さを失わないzArAmeという、札幌のシーンの熱気がそのままコンパイルされたような盤になっています。そして気になるカバーですけど、ドンカネによる「We wanna get everything」ハードコア一本釣りもアツいんですが、何と言ってもzArAmeによる「再現出来ないジグソウ・パズル」がいいっす。これはもう愛のなせる技っすね。選曲からアレンジに至るまで完璧としか言えない出来。カッコいいっすわ。

54-71『54-71』(00')

 

54-71

54-71

  • アーティスト:54-71
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実質的な1stですか。改めて聴くとポストコア的なグルーヴの形が見えてくるような気がしますが、最初はそれは衝撃でしたねえ。ギター・ベース・ドラム、そしてヴォーカルのスキマの多さというかスッカスカで成立しているのが不思議なくらい。要はその芯なる部分がしっかりしてるからなんですけど、ユーモアのセンスなんかもあってそれを感じさせないのも偉いですよね。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン発トリプルファイヤー行きのスカスカ・グルーヴをつなぐものとして改めてもっと聴かれたらいいと思います。かっこいい。肉抜きし過ぎたのに壊れずに走るミニ四駆みたいな。

Indigo Jam Unit『Lights』('15)

 

Lights

Lights

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なんというか、たいへんにシャープなバンドですよね。ピアノ、ベース、ドラム、パーカッションというカルテットによるジャズ・バンドですが、いわゆる『ジャズ』の入口にこんなおすすめなバンドも他にないかもしれません。シンプルでオシャレで踊れる。言うことないですね。惜しむらくは活動休止中ということですが、またふらっとやってくれんかな。活動中の感じを見るにそういう感じのバンドではないのか。

スピッツ『99ep』('99)

 

どこ行ったっけなと思ったら出てきたので久しぶりに聴き返しています。3曲入りのほぼシングルで、全曲今ではコンピレーション『色々衣』に収録されているのですが、その上でこの3曲入りというのは好きだなあとつくづく思います。時期としてはアルバム『フェイクファー』から『隼』の間の時期ですね。「ハイファイ・ローファイ」、「魚」、「青春生き残りゲーム」と、肩の力が抜けつつ次の段階に進まんとするスピッツの脱皮の瞬間をとらえた非常にドキュメンタリーな作品だと思います。こうね、キラキラしててでも切迫感があって、本当に好きなんですよねー。シングルの「夢追い虫」なんかも地続きだと思うので要は『色々衣』を聴けという話なのかもしれませんが、いやしかしそれでもこの3曲を抜き出して一度は聴いてみていただきたいなと。CD文化っておもろいよなー。