作品数の多さもあって細々と集めているTMBGなんですが、今作は1996年作ということで今となっては語られにくい時期の作品かもしれません。内容もどこかとっちらかっているというか、ポップだったりハードだったりロックだったりテクノポップの名残りだったりとりとめない感じです。しかしとはいえ全体を貫く、という表現すらお堅く感じるようなTMBG特有のユーモア・センスがこの楽曲集をアルバムとして一つの作品にまとめているとも言え、そういう意味では90年代の真ん中的な、振り返って当時『洋楽的』と感じたであろう要素がコンパクトにまとまった好盤であるような気もします。バグルスの「ラジオ・スターの悲劇」を寝起き低血圧で演奏したようなこの感じが、好きなんですよねえ。