凄まじい愛と死のアルバム。初めて聴いた10代の頃はなんとなく不気味なアルバムだなくらいにしか思ってませんでしたけど、ヤバいっすね。乱暴に言うとスガシカオとSyrup16gを混ぜてそのままにしたような昏い混沌。当時のギラついていた斉藤和義なんかもちょっとよぎります。とにかくオルタナティブで幸せになれなさそうなロマンスがここには。胸を裂くようなフレーズはまさに片寄スラッシュ(Great 3は歌詞を載せるとき『/』で区切ることからこう呼ばれる)の本領という感じ。後に日本有数のセッション・ミュージシャンと化すリズム隊とまた志村時代のフジファブリックなどをプロデュースすることになる片寄明人のバンドアンサンブルもまた絶好調。絶対作ってるときは朗らかにやれてなさそうな音ですが、ここにこうして名盤が残っていることが何より素晴らしいと褒めるしかない1枚。