黒岡衛星の1日1枚1言

この"ブログで音楽の話しかしたくない"がすごい!第一位

浅川マキ『ONE』('80)

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山下洋輔近藤等則といったメンバーを迎え、コンテンポラリー色を強めながらフリーに接近したアルバム。ということですが、前半はどこまでパワフルであってもあくまで上品さを失わないピアノや縁の下を支えるベースがあくまでジャズとしての聴きやすさを担保しており、一方でトランペットは好き放題やっているという塩梅。そんな中をいつものようにひょうひょうと歌うマキさんの歌唱はなんだか絶好調というか、バンドとの相乗効果もあるのでしょうけどいつもよりさらに美しく響くような気がします。そしてB面は強烈なノイズとフリーフォームギターから始まる大曲。浅川マキさんという人はむしろこういうフリーキーな中を泳がせるように歌うのも得意というか、こういうときに彼女のその歌の上手さや込められた思いの強さを感じられる気がします。総じて名盤なのではないかと。