個人的にファンハウス時代の思い入れが深すぎる斉藤和義、当時の集大成的なライブ・アルバムです。『十二月』というアルバムと対になっていて、あちらは弾き語り、こちらはバンドセットなのですが、まあとにかくこれが格好いい。自然体で繰り出されるロックンロール・サウンドに皮肉っぽく不健康な言葉が乗るのがなるほどロックンローラーという感じ。ほんと「蝉」とか「砂漠に赤い花」の歌詞は凄い。フォーキーといえばフォーキー、ブルースからの影響も感じられて確かにレイドバックしたオールドロックのようでいて、そのシャープでシンプルな演奏がただのオールディーズ讃歌にしてしまわないだけの説得力に繋がるわけで。名ライブ盤だと思いますほんと。なんかたまに見かけるけどあんまり……という人は意外とここ(と『十二月』)から入るのもいいかもしれません。ちゃんと「歌うたいのバラッド」も入ってるし。