黒岡衛星の1日1枚1言

この"ブログで音楽の話しかしたくない"がすごい!第一位

PIZZICATO ONE『わたくしの20世紀』('15)

 

世代的なものとして、ピチカート・ファイヴには愛憎があるというか、好きな一方であまりに形骸化したようにも思ってしまってなんともいえないものがあったのだけど、じゃあ小西康陽ソロ、ピチカート・ワンはといえばこれがまあ、名義に感じた印象そのままの、あまりにも寂しいアルバム。生音を活かして(というか生で録ってるのか)ささやかでしっとりとジャジーなアレンジに生まれ変わったファイヴ時代の音楽たちはあまりにもむき出しの私小説、孤独を感じさせるもので、小西さんの二十世紀絶対そんな感じちゃうやろむしろ近年やろという思いはぶっちゃけ無くもないのだが、老境に振り返る思い出として鳴っているのは案外こういう音なのかもしれない。