これが地獄からのジャズだってんなら、どんだけ甘美なサウンドなのでしょうか。フランク・ザッパがシンクラヴィアという電子楽器を使用して(一曲を除き)ほぼ一人で作り上げた異色作です。言ってしまえばかなり初期のDTMという感じなのですが、アンサンブルはいつも通りコミカルでファニー、そして何よりもポップ。別の世界線で流れているカートゥーンのBGMみたいなサウンドはまさにザッパそのものと言えるでしょう。一方で「セント・エティエンヌ」は今作唯一のライブ録音。「溺れる魔女」のギターソロからの抜粋だそうですが、いいアクセントになっています。シンクラヴィア作品ということでバンド・アンサンブルとはまた違った魅力のあるアルバムかと思います。お薦め。
