Discharming manの0th（今の形と繋がっていないため）にして個人的に最高傑作だと思っている1枚。のちにバンドセットによる歌心を志向するようになっていくわけですが（そしてそれは前身であるキウイロールからの地続きでもあって望まれていたことでもあるわけですが）、このアルバムはあくまで蛯名啓太という人間のソロ・アルバムとして、内面に向かい合った結果という気がします。アブストラクトな宅録のサウンドはECDやTHA BLUE HERBを参照したと言いつつどこまでもこのアルバムにしかないもので、後の作風どころか他に探してみてもなかなか似たアルバムというのは無いと思います。ディスチャーミング・マンというプロジェクト名がこれだけ似合う音楽もないでしょう。孤独でしか鳴らせない、宇宙のフォーク・ソング。
