うすた京介に渋谷系を描かせたらきっとこんな感じ？とまあ初っ端から誰にも伝わりそうにない喩えを出してしまいましたが、なんなんでしょうね、これは。ボッサやスウィング、マカロニなんかをモチーフにしたサウンドの感じは確実に渋谷系のあの頃というかピチカート・ファイヴの隣人そのものだしファンタスティック・プラスティック・マシーンなんかはそのままに聴こえたりするわけですけど、一方でいきなり弾き語りとかユーモラスなサンプリングとかスカミーなパンクが脈絡なく襲いかかってきて面白がるより先に混乱させられます。なんなんでしょうねこれは。（二度目）おしゃれと言えばどこまでもおしゃれ、パンクと言えばどこまでもパンク、どこからどこまでが冗談なのか本気なのかは作者のみぞ知る、謎多き盤でありました。そりゃ10年経って再販されるよな。
