黒岡衛星の1日1枚1言

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筋肉少女帯『レティクル座妄想』('94)

 

レティクル座妄想

レティクル座妄想

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筋少、もっぱら後期のメタリックでありながら空虚な感じ、特に『最後の聖戦』を好んでいるのですけれども、一般的に名盤であり全盛期とされているこのあたりはどうにも音作りが得意じゃないところがあって、そのせいでわりと長らく筋少を避けて通っていたんですよね。まあ久しぶりに聴いても音作りの印象は大きく変わらないんですけど、どう頑張っても真っすぐはならない楽曲にオーケンの世の中に叩きつけられる呪詛と『人を呪わば穴二つ』と言わんばかりに己の醜さへと繋がるこの感じ、ああ筋少だなと思うし、改めて感じ入るものがあります。なるほど『全盛期に出した名盤』という感じ。特にこのときのオーケンの鬼気迫る歌唱は未だに衝撃を失わないというか、ひとつの正解にたどり着いてしまったような凄みがありますね。日本人にとってのブラックメタル的な、と言ってしまうと語弊があるんでしょうけど、底のない暗さが聴けるアルバムだと思います。そりゃ作ってても病むわ。