もうこの作品、このアルバムの音楽に対して言うことはとにかく『解像度が高い』ということに尽きると思う。『（主に）ゼロ年代の下北系ギターロック』というものを当事者（THE YOUTH, LOST IN TIME他の三井律郎など）が振り返り俯瞰しながらロックバンドって楽しいという気持ちや、ライブハウスで演奏する喜びがスタジオ録音である今作からも伝わってくる。ドラムの虹夏ちゃんはパンクが好きだから足元がよく動く感じ、とか、引きこもって一日6時間練習してるぼっちちゃんはメタルやフュージョンみたいなフレーズが武器になってるとか、アレンジというよりは一つのバンドを実物にする作業がとにかく丁寧に行われており、音楽そのものの良さ、説得力もさることながらとにかくその実在性に感心させられ、アニメを観終えた今では泣きそうにすらなるのでありました。
