オタクのジャズ・サックス奏者、吉田隆一による私物化バンドBlacksheepの、色んな意味で決定打となる1枚。SF、アニメ(アニメソングではなく)にフリージャズからアプローチを取り、見事に新たな表現へと昇華させることに成功したアルバムであり、こんなに泣けるバリトンが聴ける録音ていうのはジャズ以外を見渡しても無いのではないだろうか。「地球、買います」の盛り上がりなど、フリージャズと言われて想像するような難解さはなく、ただ吉田隆一という『オタク』そのもののエモが音になったような、身体表現としてのジャズ。