黒岡衛星の1日1枚1言

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Acoustic Asturias『Somewhere Not Here』('24)

 

多彩な編成でプログレッシヴ・ロックサウンドを追求し続ける大山曜によるアコースティック編成の新作。いやもう本当に待望のという感じで、アコースティックでは前作『レジェンド・オブ・ゴールド・ウィンド』から13年越しになります。間にエレクトリック編成、多重録音と作品こそ出ておりましたがやはり個人的には大山曜氏の良さが一番強く出ているのはアコースティック・アストゥーリアスだと思うんですよね。2022年に一度解散したものの、編成を新たにして復活、サウンドも『らしく』ありながら一新ということで、一番新しいのはやはりチェロが加わったことでしょう。それまで印象的だったクラリネットとはまた違った響きで低音部を支えるさまはシンプルに力強く、新編成一発目を印象付けることに成功しているのではないでしょうか。楽曲としても長らくライブで演奏されていた「深夜廻のテーマ」やクリームの代表曲「ホワイト・ルーム」のカバー、アルバム・タイトルのもととなった大曲「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか?」など充実のラインナップ。室内楽プログレの傑作にして他に類を見ないオリジナルな文句なしの名盤です。