羅針盤『福音』('03)

福音 [紙ジャケット仕様]

いつの間にか紙ジャケ再発なんてしてたんですね。山本精一率いる羅針盤の5枚めになりますか。フォークロック的でありながらときにバーストするギターノイズは前作『はじまり』の印象を引き継ぎつつ、より歌ものとしての強度と静謐さを増した作品であります。個人的には羅針盤で一番好きかも。諦念が行き着いた先とでも言うべき歌詞の世界は安易に彼岸にたどり着くことも許さない、此岸にも居場所がない人間の哀しみという感じがします。あまりにもさみしい音楽。