衝撃。ピアノ、サックス(ほか)、ドラムというベースレス、ワンホーンの変則的なトリオ編成で当時世界に打って出た山下洋輔トリオのライブ盤であります。山下洋輔ご本人のエッセイなどを読むと演奏のようすが『ドバラダダダドシャメシャダララララグギャーン』みたいな、赤塚不二夫と仲が良かったのも納得の擬音で表現してあるのですがまさにそういう音なのです。シンプルに手数多くまたパワフルなフリージャズ・アンサンブルはただひたすらに圧倒されること間違いなし。パンクもグラインドコアもヘヴィメタルすらもうっすら感じさせるようなフルスロットルの演奏はうるさい音楽が好きという御仁であれば万人に、いやエネルギッシュな表現が好きという人全員に薦められるものでしょう。もう50年近く前の演奏なのに今聴いても震えるような感動を得られる名盤です。