黒岡衛星の1日1枚1言

この"ブログで音楽の話しかしたくない"がすごい!第一位

Steve Reich『Phases: A Nonesuch Retrospective (Disc 2)』('06)

 

ディスク2は「ディファレント・トレインズ」、「テヒリーム」、「エイト・ラインズ」を収録。「ディファレント・トレインズ」は自身の幼少期の体験と同時期に行われていたホロコーストを結びつけたシリアスなもので、無常さをもって駆動する列車の恐ろしさを感じさせるような演奏と、録音された人間の言葉や汽車のサンプリングがとにかく重たい一曲。何度聴いても怖いっす。「テヒリーム」は打楽器と声楽によって描かれる宗教的な音楽。アルバム『呪文』の頃のマイク・オールドフィールドを思い出すような美しい曲。「エイト・ラインズ」は「八重奏曲」の発展形。初期に近く、また代表作である「18人の音楽家のための音楽」にも似た聴きやすくも(彼にしては)コンパクトな作品。ミニマル・ミュージックスティーブ・ライヒといえば、という感じ。80年代ライヒ(「八重奏曲」は厳密には70年代ですが)の美味しいところが詰まってる感じですね。