あまりこのタイプのアーティストは聴かないのですが、カヴァー集が好きなので買ってみました。昭和歌謡を中心に洋楽などもあり、選曲は全体的に大ネタ系。たしか彼のことは『Free Soul』のシリーズで特集されていて知ったのですが、とにかくスウィートな歌声とスムースなアレンジが印象的です。スカになった「リバーサイドホテル」や本格的にサンバのスタイルでやってみせた「夏をあきらめて」なんて本当に素晴らしい出来。客演によってはやや騒々しいところもありますが、それも含めて日本のレゲエ・シーンをわかりやすく紹介する1枚と言えるのではないでしょうか。
Soft Machine『The Soft Machine』('68)
1stです。どんなだったかなと久しぶりに聴き返しましたが、非常にカッコいいですね。ジャズが基礎にある高い演奏力をベースに、あくまでサイケ・ロックとして歌心を届ける姿は後のインスト・バンド化した作風では味わえないもの。キャラヴァンもそうですが、1stにして完成しています。今作だけで脱退してしまうケヴィン・エアーズですが、さながらピンク・フロイドのシド・バレットと言いますか、フロントマンとしてのカリスマを遺憾無く発揮しております。たとえばプログレッシヴ・ロックとしてやバンド全体の好みからはほかのアルバムが代表作として挙がりやすいですが、決して若書きの作品と侮れない名盤だと思います。バンドのパブリック・イメージであるファズ・ベースとオルガンもこの頃から健在。お薦めです。
カーネーション『Wacky Packages』('94)
カーネーション初のライブ盤ということでアルバム的には『天国と地獄』リリース後、『Edo River』リリース手前くらいの感じですか。FMのパワープレイも受けてわかりやすくポップ化していくその後と比べると、まだマニアックな楽曲群がライブという場でどう披露されていったかが楽しめるドキュメンタリーといった印象が強いです。しかしカーネーションというのはこの頃からライブバンドだったのだなあということがよくわかる、ハードグルーヴィンな演奏は今聴いても全然楽しめますし、森高千里でお馴染み「夜の煙突」も収録されてお得感もばっちり。後のライブ盤が全体的にやや入手し辛かったりサブスクになかったりすることを考えると、今作も十分に聴いて損のない作品だと思います。
Niacin『Time Crunch』('01)
Mr.Bigのビリー・シーンが率いたトリオです。本人曰く『ファンキーなエマーソン・レイク・アンド・パーマー』だそうで、ハモンド・オルガンの主旋律を中心にベース、ドラムのバカテクがリスナーの耳を絨毯爆撃するサウンドはわりと誰が聴いても腰を抜かすと思います。確かに『これマジで3人でやってるの?』感はEL&Pと共通するような気も。一方でドラムのデニス・チェンバースはマジモンのジャズメンということもあり、そのグルーヴ感もまた一味違います。久しぶりに聴いたんですが、やっぱり他に似たものがないなと再確認した次第。キング・クリムゾン「レッド」やジェフ・ベック「蒼き風」なんかも収録されてプログレ・ファンやロック・リスナーにも大満足の仕上がりなのではないかと。お薦めです。
George Benson『The George Benson Cookbook』('67)
「Breezin'」のヒットで知られる『歌うギタリスト』、ジョージ・ベンソンによる初期の傑作です。ギター、オルガン、ドラムのシンプルなファンキー・ジャズを中心に、楽曲によってバリトンサックスやトロンボーンが華を添え、また歌入りの楽曲もこの頃からすでに収録されています。いやーカッコいい。シンプルがゆえにゴマカシのきかない、割烹の刺身のようなグルーヴとでも言いましょうか。ソウルフルでグルーヴィな演奏は細かいこと抜きで肩を揺らしてしまうようなもの。またロニー・スミスのオルガンもいいんですよねー。ひたすらに心地よく聴ける、環境に左右されない名盤であると言えましょう。お薦め。
Joshua Redman Elastic Band『Momentum』('05)
ジョシュア・レッドマンがエラスティック・バンドという名義で録音した作品ですが、まずメンツが驚きです。フリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)やクエストラヴ、ミシェル・ンデゲオチェロといったジャズ外からのゲストをはじめ、ジャズ界隈でもブライアン・ブレイドやカート・ローゼンウィンケルといった錚々たるメンバーがサポートしております。で、サウンドはいい意味で温故知新的というか、エレクトリック・ジャズ、ジャズ・ファンクと呼ばれるサウンドをゼロ年代にアップデートしたもの。オーネット・コールマン「ロンリー・ウーマン」を取り上げる一方でシェリル・クロウやレッド・ツェッペリン(「クランジ」!渋い)といったカバーのセンスも光ります。特にドラムのビートとグルーヴがいいですね。クラブ・ミュージック以後といった感じのサウンドがかっけーです。これはいい。お薦めです。
Tin Pan『Tin Pan』('00)
日本のプロデュース・チームにして凄腕のセッション・ミュージシャン集団、ティン・パン・アレーのメンバーによる再結成作です。林立夫、鈴木茂、細野晴臣という3人でのセッションに過去の音源やゲストなども加えた作品、と言ってしまえばそれまでですが、過去の音源が『はらいそ』の頃のテイクであったり、ゲストが忌野清志郎に矢野顕子にコシミハルに高野寛にともう参加した人物を挙げていくだけでとんでもないもの。肝心のサウンドは以外にも(?)ポストロック以後の音響を感じさせるサウンドに彼らが70年代から持っているカントリーやフォークのムードを載せたような作風で、これは今聴いてもたいへんにおしゃれなのではないかと思われます。いや、カッコいいなあ。スケッチ・ショウや再結成YMOは何か違うようなと思った方も一度触れてみてはいかがでしょうか。






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